「本」について語るメタ新書たち | 7冊だけ

はじめに僕の新書観を前置きしておくと、「新書」の良書とは

  1. 斬新な切り口で、
  2. 平易に科学し、
  3. 手広く歴史する

ものだと考えています。


そして新書はその多くの価格が700円代で、内容、金額ともに「削る努力」をされて世に出た濃度の濃いものでROIは抜群。しかも持ち運びしやすく電車内でも読みやすい。まさに「手元に置きたい」ものばかりなわけです。そしてそんなわけで改めて新書のことを考えつつ本棚を見ていたら、そんな新書について語られている「メタ新書」がたくさんあることに気が付きました。良書が紹介されていたり、本の読み方が書かれていたり、新書そのものについて書かれていたり,,,etc.


ということでそんなメタ新書を紹介するメタentryを書いてみた。




読書術 2冊

『実践! 多読術』(成毛眞)
『実践! 多読術』(成毛眞)

マイクロソフト社長の成毛眞さん(@makoto_naruke)。超絶読書家。巻末には成毛さんの「激選ブックガイド」付き。
つまらない本は最後まで読まない、ジャンルを絞らずガンガン読む、など本読みの先達として非常に参考になる話ばかり。併読、書評の書き方など、「読書の帝王」の片鱗をぜひ本書で。


『未来形の読書術』(石原千秋)
『未来形の読書術』(石原千秋)

著者は高校入試国語の読解を通した問題提起などが大きな支持をえている石原千秋さん*1
まえがきには「新書を、しかも自分の専門外の新書を読むことにしている」とあり、石原さんも新書フェチであることが分かります。




ブックガイド 2冊

『新書365冊』(宮崎哲弥)
『新書365冊』(宮崎哲弥)

ミヤテツさん。僕は関西ローカルのTV番組『たかじんのそこまで言って委員会』で知りましたが、三宅久之さんと並んで、いかにも「博識(`・ω・´)キリッ」って感じですごくかっこいいと思っていました。
そして本書のキラ☆メキは、「第16章 問題な新書」にあり! 読書っていうか知識は全般的に反面教師をたくさん教えてくれるものですよね。「これをすればいい」という未来への指針というよりは、「これをしたら失敗したから、やっちゃダメだよ」っていう。まさにそれを体現しているのが16章。たまに出会う「クソ本」を徹底的にこき下ろしていて、爽快(笑)


『姜尚中の青春読書ノート』(カンサンジュン)
『姜尚中の青春読書ノート』(カンサンジュン)

姜尚中先生自身の青春にそって5冊選ばれています。北朝鮮拉致問題関連でメディア露出が増えた方で大いにバックラッシュにあわれたそうですが、本書を読めば日本大好きっていうことがわかります。




科学系 2冊

『SFはこれを読め!』
『SFはこれを読め!』(谷岡一郎)

著者は大のSFファンであり、数年に一度自身が学長を務める大阪商業大学にて「グレート・ブックス」という授業を担当している谷岡一郎さん。
本書ではそんな著者が極めつけのSFオモシロ本を10数冊紹介。SFって「ネタバレしてもおもしろい」んですよね。SFは本当に最近の僕の「最も強化したいジャンル・ランキング1位」です。


『これだけは読んでおきたい科学の10冊』(池内了)
『これだけは読んでおきたい科学の10冊』(池内了)

失敗からくる科学のセレンディピティを感じられる本10冊。池内了さんは宇宙物理学者ですから、これからの宇宙ビジネスにも役立つ知識がえられるかもッ! うひょー!
(という冗談は置いておいて、)僕にとって著者の池内了さんは ネ申 的存在で、なぜかといえばなんといっても池内了さんは『物理学と神』で僕の心に「新書の火」を灯してくれた方だからです。あの本をもし読んでいなければ今頃どうなっていたやら考えられないです。




超★メタ新書 1冊

『新書がベスト』(小飼弾)
『新書がベスト』(小飼弾)

dankogai著、「クソ本」をも許容するメッタメタの新書。新書の世界に迷い込もうという人は本当にこの本から読み始めるべき。「新書レーベルめった斬り!」など、本好き向けのコンテンツもあり。
最近の新書ブームにも寛容で、まさに慧眼。ミヤテツさんも前述の『新書365冊』で最近の新書ブームに嘆いているけれど、そういったクソ本の量産も、結局は読者の「賢全化」で淘汰されていくのですから。ですから「クソ本も読め」っていうのは、すごく現実的で素敵な発想。

→参考: 「新書がベスト」重版御礼+書名索引Web版 - 404 Blog Not Found




番外編: 本を語るマンガ
本について語ってるマンガ、知らないなぁ(知りたいなぁ)。
マンガについて語ってるものとしては『バクマン』が、集英社マジ最強ッ! って感じで、読んでいて楽しいですが。



新書読者@YMKjp

*1:wikipediaで知りましたが「αシノドス」の編集長である荻上チキさんのゼミの先生だったらしい