ホームカントリーバイアスのない国ニッポン

Japan, Spring 2010photo 〓 2010 Ine | more info (via: Wylio)
近代シリーズ第3弾
近代的な施設をあげてそれに注意を払わなければならないことを指摘したが、もう少し大きな目で見えてくる近代的な施設もある。国家だ。
投資の世界では「ホームカントリーバイアス」という言葉がある。投資家が自国市場への投資を厚くしてしまうことを指すのだが、市場システムにおいて純粋にみればそれは非効率なバイアスであるというわけだ。そして幸か不幸かそのホームカントリーバイアスのない国が我らがニッポン国なのである。「どんだけ自信ないんだよ」とツッコミをいれたくなるが、冷静にみればこの事態はむしろ日本はある種のアドバンテージをもっているわけだ。どういう訳か日本の投資家の精神上のギミックで効率的な投資ができている*1
もちろん日本も法人税5%の議論などをみるにつけ国家の枠組みに囚われているなぁとは思う。しかし現代はそういう段階だろう。日本は世界に放り出されるにはあまりに恵まれすぎている。それに米国のインテルが自国内に工場を置くかどうかが議論になったりしているのを見るにつけ、世界はまだまだホームカントリーバイアスだらけなのだと実感する。ブルーカラーやホワイトカラーといった言葉の延長線上にゴールドカラーと呼ばれる人々がいる。彼らは知識・情報産業の仕事に従事し、自らのスキルで世界を渡り歩く。現代はまだそういった人々を特別視するような時代なのだ。多言語を話せる人々は少数派で、万人がコミュニケーションできるようなイノベーションも待ち遠しくはあるがまだ起こってはいない。
現代は近代化を徹底しつつ、近代にちょっとずつ上積みされていっている部分を見極める時代なのだろう。


超近代っ子@YMKjp

*1:しかし日本に住み続けるつもりであるのならば「日本だけが世界に比して以上に成長する事態」が起こればそれは残念な結果となる