マクロ経済学のゲリラ戦。卑近でまともな「使える経済学」: 『経済とお金儲けの真実』

『経済とお金儲けの真実』
『経済とお金儲けの真実』(飯田泰之、坂口孝則)

目次
はじめに 今こそ本当に必要な経済とビジネスの話をしよう
第1章 これからの日本経済でいかに儲けるか
第2章 ウソと誤解だらけの日本経済
第3章 儲けられる人、ダマされる人の違い
第4章 これからの「お金」の話をしよう
第5章 日本に蔓延する「日本人論」のウソ
第6章 生き残るために今僕たちは何をすべきか
おわりに マクロ経済とミクロ経済をつなぐために

ちゃんと使える経済学
近年の手軽でしっかりとした経済書である小島寛之『使える!経済学の考え方』はタイトルにも"使える!"とある通り、まさに使える良書ですが、本書も使えます。それも、すぐ今すぐにでも。両書籍ともに共通しているのは、景気とか株価、税金、為替とか言ってても経済学に使われることはあっても使えるようにはならないんだよということ。本書を読んで経済学を使い倒しましょう。


マクロ経済学のゲリラ戦
本書は前書きにある通り、成功者の自慢本でもなく、格差煽り本でもない。かといって安易なハウツーでもない、「(まともな)(すぐに)使える本」。マクロ経済学者ならば口が裂けても言わないような「儲かる商売」から、就活生(およびその予備軍)への指南まである近所のおばちゃん的親切設計になっている。


使えるスキルはなにか
本書は期間限定でPDFと音声ファイルが付いていた。さすがカリスマバイヤー、消費者のマーケティングもばっちりねッ! て言いたくなる(?)商売ですが、僕にはちゃんと「効用」があったのでよかったです。
そこで「使えるスキル」ということが触れられていたので、それぞれについて少し考えてみたい。

  • 英語
  • 簿記(B/Sが読めるように)
  • IT
  • どこでも寝れる
  • 統計

ちょっと変わり種も入っていておもしろい。簿記と英語はある程度見慣れたものかもしれない。
「どこでも寝れる」というのは主に海外展開を見据えたスキルになっている。そして「IT」はなんともざっくりした表現だが、僕が思うにITに限らずスキルというのはそれを作ってみて分かることも多いということで「開発側」をちょこっとでも知っておくということなのではないか。「統計」はマクロ経済学者らしい提言だが、様々な局面の分析に欠かせないスキルである。きっとそれは昨今隆盛を極めるコンサルの専売特許であったわけだが、その武器を持て、と理解していいだろう。


それぞれ現在の自分にひきつけて近いところから「つぶしていく」ようにすれば、本書を手にとったROIもあがるに違いない。


@YMKjp