夕張市長選、「復興神話」への序章

ああ、このニュースでどれほどの人が勇気づけられただろうか。

全国唯一の財政再生団体・北海道夕張市の市長選は、元東京都職員の鈴木直道氏(30)が、元衆院議員の飯島夕雁氏(46)らを破って初当選した。鈴木氏は財政破綻(はたん)後の同市に、都からの派遣職員として約2年勤務。今回、地元の要請で立候補した。石原慎太郎都知事らも応援に入った。
北海道・夕張市長選 元都職員の30歳が当選 (asahi.com)

希望のバラマキ
財政再生団体として「見せしめ」にされた夕張が、確かな「復興」への第一歩を踏み出したのだ。
夕張が、この暗い暗いニッポンに希望をばらまいている。
もとい、東京が。「夕張が」ではない。
ニッポンに希望をばらまいているのは、夕張ではなく、東京だ。

30歳の鈴木直道君が夕張市長に当選。急に夕張に行ったわけではありません。東京都職員を夕張へ派遣してきた3年間の歴史はこちら「夕張レポート」http://bit.ly/9s5raW 震災で自治体職員が派遣されていますがその先駆的な試みでした。less than a minute ago via web Favorite Retweet Reply

メガロポリスの免罪符、夕張
言うまでもなく新市長は東京都の肝いりだ。
東京都といえば、世界の都市の中でも随一のメガロポリス
そのGDPはオーストラリア一国をも凌駕する(2009年)。
東京都にとっては夕張のひとりの職員、市長など安い免罪符なのだ。そのバラマキ支援によって「一人勝ち」が許されるのならば。



夕張のこれから、地方自治のこれから
ちなみに、この東京による「希望バラマキ」はしかたがないことだ。
みんながこれを見たがっているんだから、それを提供したまでなのだ。
しかし、長くは続かない。「特別扱い」してもらった夕張以外の「凡百」いや、凡1,700地方自治体はどうするのか。


1. まず大前提として逃れようもなく日本を待ち受けているのは「デフレへの招待」、いや、『デフレの正体』 だ。
そう人口の波だ。
少子化で子どもを産む女性(=「母数」)が文字通りの意味でも比喩的な意味でもすでに取り返しがつきようのないほど小さくなっているのは『デフレの正体』 でも主張されているところだ。


2. 「限界集落」はすでに1万を越すという。移住してくるニートにお金を支給すればいいのか?
違う。
清くたたむのだ。緩慢な死はすでに訪れている。

名古屋なんてまだまだマシなほうで、河村さんのあとがきにもあるけれど、「町の最大の産業が役所」なんてところは、間違って地方分権にでもなって補助金がカットされでもしたら、それこそ一瞬で破綻だよね。
地方分権って、そういうこと。地方自治体間の競争なんだから。
『減税論』と地方分権(たとえ河村さんの言うことが間違えていたとしても) - 新書いとおかし


忘れてはいけないのは、地方自治体という法人よりも、そこに住む個人のほうが重要であるということだ。
法人のために個人が犠牲になってはいけない。



@ymkjp