堀江貴文を東京都知事に! - シュタインの自治論

本人の目に入れば「いや、もう政治家とか興味ないし」とか言われそう。
でも堀江貴文元社長(以下敬称略)というのはあくまで例であって誰でもいいんです。
堀江貴文なら亀井静香を広島で選挙で倒して総理大臣になろうとしていたので、想像しやすいかなって思って。


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日本の課題「脱明治」
猛スピードではしょりながら書くと、「明治は大まかに近代化の時代で、でもその近代化はちょっと歪んでいて、かつWebとかでデジタルでフリーな流れももいよいよとどまらないレベルになってきたので、とりあえず日本の地方自治を見なおしてみようよ」っていうことです。
つまり特に新しいことは何も言うつもりはなくて、「現代の地方自治の問題は明治政府から脈々と続く課題なんだ」っていうことをことさら明らかにするためにこのエントリーを書きまつ。
そういうわけで課題先進国といわれる日本ですが、さまざまな課題を乗り越える土台として地方自治体の長に、堀江貴文になってもらおうと。



シュタインの自治
エントリーの題名にも「シュタインの自治論」と書きますた。シュタインというと、端的に言うと明治政府のお雇い外国人です。
日本史を思い出すと、「日本の近代的な自治制度は、天皇制をできるだけ維持するために、君主制プロイセン(ドイツ)をお手本にした」っていうのを覚えていますか?
この時のドイツのお雇い外国人にモッセ、グナイスト、シュタインという3人がいて、「シュタインの自治論」は日本に都合が悪いので無視されていたのです(シュタインの国家論とかは使われています)。
シュタインの自治論を簡単にどういったものかというと、「独立性の強い自治論」ということです。要するに今「地方分権」で言われていることと一緒の内容。
地域に権限をたくさん持たせる中央集権とは逆の方向性なので、そりゃあ明治政府に無視されるわなっていう。
そんな自由で独立志向な自治体の長に、明確なビジョンをもった人(例えば、堀江貴文)になってもらいましょうと。



ジェントリー(無給の名誉職原理)
ちなみに先述の3人のドイツのお雇い外国人にグナイストという人がいますた。グナイストは先程のシュタインとは違い「お上志向」なのでその行政理論などは明治政府によって使われたのですが、結構今になっても通用するようなことを言っています。
むしろ現代から見るとグナイストの指摘のほうが斬新かも知れません。グナイストは一言でいうと「名誉職原理」を提唱しました。
この名誉職原理には利点があってそれを僕なりに解釈すると、

  • 都市化の進展による市民の政治への無関心を緩和させる(カリスマ的な人気による「大衆の政治参加」)
  • 議会における政党化への対抗策

グナイストは政治家であったそうですが、彼らしい利点が盛り込まれています。
この理論の背景にはイギリス議会主義体制があります。イギリスの安定した議会体制の核となっている「体制の担い手となっているジェントリー」が指摘されていて、治安判事制と陪審制に象徴されるような地方政治の構造をイギリスの自治の"真の発光点"だとしていたらしいです。
しかしその利点の代わりに、

  • 選挙(民主主義原理)の否定

という一見するととんでもない欠陥をはらんでいます。
しかし、グナイストが選挙によらない選出を提唱したのは政党の自治への介入を阻止するためであり、言ってみれば「無所属出馬」で事足りる話なのです(いや、もはや政治家の勝手な行動を制御しきれていないことが散見される党本部にあっては「無所属」同然でしょうか)。
なぜ「名誉職原理」なのかというと、金銭的な報酬がないから。むしろその自治体が財政難に陥った際にはその首長が私財をなげうってリカバリーしていたらしい。
堀江貴文が私財をなげうつかは分かりませんが、食うに困らないほどの私財を持っているっぽい仮想の例としては分かりやすいでしょう。
ここは僕個人的な趣向ですが、大衆の人気を落とさずにワシントンコンセンサスに代表されるような新自由主義路線の流れを押し通せる人と言われれば堀江貴文が一番ピンと来ます(地方分権もITも"キテル"のはみんなこういう流れだっていうのは想像できましゅ)。



明治政府をハックせよ!
冒頭で「明治時代の近代化はちょっと歪んでいた」という趣旨の指摘をしますた。
でも明治維新や明治政府の仕組みづくりについて勉強するたびに思うのは、コンセプトというか、理念としては正しかったということです。
教育勅語や今回の地方自治などを見ると痛感しますが、中央集権を回避するような必然性は指摘されていたのですが、時代の流れからどうしても「徹底しきれ無かった部分」があったのです。だから、明治政府から高度経済成長期を通じてずるずるやってきたことを政治の体制としてもハックする時期にきたのかなぁみたいな。
そしたら「小回りのきく地方自治からでしょう」となるのは当然なわけです。
僕は、これに関しては東浩紀Twitterの呟きでクリアになったわけでしゅ(参照*1



Written by 平成HACK@YMKjp (Twilog)

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ローレンツ・フォン・シュタイン(Wikipedia該当記事)

*1:東「ぼくはいま日本が直面している問題は、文化的にも社会的にも要は明治国家の限界をどう突き破るかだと思っている。だから村上隆氏が江戸とアニメを直結させる(明治ー昭和を回避して短絡させる)という選択はひとつの解だと思う。ただそこで問題なのは江戸もまたガラパゴスだったこと。」