『減税論』と地方分権(たとえ河村さんの言うことが間違えていたとしても)

本書の副題でもある「増税やむなし」が震災を期にふたたびかまくびをもたげたのはなんとも皮肉だけれど、愛知県の「減税日本党」は議席を伸ばしつつある。

減税論―「増税やむなし」のデタラメ (幻冬舎新書)
『減税論―「増税やむなし」のデタラメ』 (幻冬舎新書) [単行本]
河村 たかし (著)

目次
第1章 国債は「借金」ではなく「財産」である
第2章 減税に財源の心配はいらない
第3章 減税で名古屋の公共サービスは向上した
第4章 議員の家業化をいまこそ見直す
第5章 政治とカネとこれからの日本
減税は全国どこでもできるーあとがき

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僕のライフワーク「百億総資本家計画」(第一〜第四フェーズまで)について


百億総資本家計画とは
いきなりですが、「百億総資本家計画」について説明したいと思います。
僕は最近、この「百億総資本家計画」について考えていて、twitterのプロフィールにも書いちゃうくらいずっとこのことについて考えていました。
「資本家」というと、特権階級みたいなイメージですよね。
だけど僕は、もうそろそろ旧来の特権階級並みにはみんな過ごせるようになってきていると思っています。少なくとも、中世のヨーロッパとかの王族とかよりも僕たちはいろんな世界のことを知っているし、いろんな料理も食べたことがあるし、もっと刺激の強いエンターテインメントを受け取っています。
そこで。社会を労働者と資本家に分けたマルクス大先生的な視点でいうと、「もう、ぶっちゃけロボットとかパソコンのプログラミングとかに労働は全部任せちゃっていいんじゃない?」という世界に向けて動き出さなければならない。
というかこの計画は、もう「努力」はしなくていいんだよー、というゆるい考えなわけです。
まあ、こういうことはずっと言われてきていてなんの新鮮味もない話題なので、「何をなすべきか」ということを段階的に提示したいと思います。
僕のライフワークにするつもりです。

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福島県をベーシックインカム特区に

東日本大震災から1週間が経ちました。
被害に合われた方々にお見舞いもうしあげます。
3月18日現在で死者数が阪神大震災をこえ、戦後最悪の災害となりました。


おそらく今後の日本経済は10年、20年と、大変つらく、厳しい時期をむかえると思われます。
もちろん僕を含めですが、各種報道も広く経済・生活への波及的な影響は全貌が見えていませんが、良い意味としてよりはむしろ悪い意味で時代のターニングポイントとなることは避けられない事態です。
日本経済に漂っていた閉塞感や倦怠感は、現実的な危機を前にいやおうなく払拭されるに違いありません。
しかし僕たちはこの未曽有の大震災を乗り越えたとき、そこには今日本が抱える数多くの問題をクリアし、より良くなった社会があるに違いありません。
僕は、世界の人類の一員として、この事態の突破を試みるつもりです。


さて、そんな中、特段に激しい被害をうけている地域が福島県です。もちろん、大地震、大津波と東北地方や関東地方に広く影響がでています。
しかし、原発事故は、それらの自然災害とは一線をかくし、日本社会がはらんできた歪みを一手に受けている印象があります。
福島第一原発は未だ、予断を許さない状況であり、総括をするのには早計なきらいもありますが、福島県ベーシックインカム特区に推薦します。



参考までに福島県ベーシックインカム特区に推薦する理由をあげます。

  1. 福島第一原発は「人災」としての性質がつよい
  2. 福島第一原発で発電された電気は首都圏など他の地方へも提供されていた
  3. 放射能汚染の風評被害から経済復興が難しくなると想定される
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出版社が選ぶ高校生に読んで欲しい新書5冊 | 講談社現代新書篇

【出版社が選ぶ高校生に読んで欲しい新書5冊 | 新潮新書篇】に続きまして。



高校生に読んで欲しい講談社現代新書5冊


岩波新書中公新書講談社現代新書の3つのレーベルを「新書御三家」と呼ぶ。その御三家のうちでは最も新しいレーベルである講談社現代新書(1964年スタート)が選んだ「高校生に読んで欲しい新書」は…

1.
『<子ども>のための哲学』 講談社現代新書―ジュネス [新書] 永井 均 (著)
『<子ども>のための哲学』 講談社現代新書―ジュネス [新書] 永井 均 (著)

なぜ生きるかなど、哲学的に考えることを平易に説く。

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出版社が選ぶ高校生に読んで欲しい新書5冊 | 新潮新書篇

「びんらん」って覚えていますか?
高校の国語の先生が、「本当は"びんらん"じゃなくて、"べんらん"だから!」とドヤ顔で説明してくれた覚えがありますが、僕の高校では『新訂総合国語便覧』(第一学習社)の初版を使っていました。


その便覧に新書コーナがあって、今になって思うと大手出版各社が同じ条件でそろって紹介しているのは珍しいので比較してみようかな。まずは新潮新書から。



高校生に読んでほしい新潮新書5冊

1.
『死の壁』(養老孟司)
『死の壁』(養老孟司)

新潮新書コメント: つい目をそむけがちな「死」の問題に向き合う。

思えば「新潮新書」のレーベル自体が2003年に開始したことを考えれば、本書が2004年刊行というのは実はレーベル開始からちょうど1年くらいたったころということになる。前年の大ベストセラー『バカの壁』新潮新書のレーベル立ち上げを大成功に導くにとどまらず、「新書」そのもののブームをつくり出すきっかけとなった。その養老孟司大先生が、「もう一発!」とばかりに本書『死の壁』を刊行。

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「本」について語るメタ新書たち | 7冊だけ

はじめに僕の新書観を前置きしておくと、「新書」の良書とは

  1. 斬新な切り口で、
  2. 平易に科学し、
  3. 手広く歴史する

ものだと考えています。


そして新書はその多くの価格が700円代で、内容、金額ともに「削る努力」をされて世に出た濃度の濃いものでROIは抜群。しかも持ち運びしやすく電車内でも読みやすい。まさに「手元に置きたい」ものばかりなわけです。そしてそんなわけで改めて新書のことを考えつつ本棚を見ていたら、そんな新書について語られている「メタ新書」がたくさんあることに気が付きました。良書が紹介されていたり、本の読み方が書かれていたり、新書そのものについて書かれていたり,,,etc.


ということでそんなメタ新書を紹介するメタentryを書いてみた。

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マクロ経済学のゲリラ戦。卑近でまともな「使える経済学」: 『経済とお金儲けの真実』

『経済とお金儲けの真実』
『経済とお金儲けの真実』(飯田泰之、坂口孝則)

目次
はじめに 今こそ本当に必要な経済とビジネスの話をしよう
第1章 これからの日本経済でいかに儲けるか
第2章 ウソと誤解だらけの日本経済
第3章 儲けられる人、ダマされる人の違い
第4章 これからの「お金」の話をしよう
第5章 日本に蔓延する「日本人論」のウソ
第6章 生き残るために今僕たちは何をすべきか
おわりに マクロ経済とミクロ経済をつなぐために

ちゃんと使える経済学
近年の手軽でしっかりとした経済書である小島寛之『使える!経済学の考え方』はタイトルにも"使える!"とある通り、まさに使える良書ですが、本書も使えます。それも、すぐ今すぐにでも。両書籍ともに共通しているのは、景気とか株価、税金、為替とか言ってても経済学に使われることはあっても使えるようにはならないんだよということ。本書を読んで経済学を使い倒しましょう。


マクロ経済学のゲリラ戦
本書は前書きにある通り、成功者の自慢本でもなく、格差煽り本でもない。かといって安易なハウツーでもない、「(まともな)(すぐに)使える本」。マクロ経済学者ならば口が裂けても言わないような「儲かる商売」から、就活生(およびその予備軍)への指南まである近所のおばちゃん的親切設計になっている。


使えるスキルはなにか
本書は期間限定でPDFと音声ファイルが付いていた。さすがカリスマバイヤー、消費者のマーケティングもばっちりねッ! て言いたくなる(?)商売ですが、僕にはちゃんと「効用」があったのでよかったです。
そこで「使えるスキル」ということが触れられていたので、それぞれについて少し考えてみたい。

  • 英語
  • 簿記(B/Sが読めるように)
  • IT
  • どこでも寝れる
  • 統計

ちょっと変わり種も入っていておもしろい。簿記と英語はある程度見慣れたものかもしれない。
「どこでも寝れる」というのは主に海外展開を見据えたスキルになっている。そして「IT」はなんともざっくりした表現だが、僕が思うにITに限らずスキルというのはそれを作ってみて分かることも多いということで「開発側」をちょこっとでも知っておくということなのではないか。「統計」はマクロ経済学者らしい提言だが、様々な局面の分析に欠かせないスキルである。きっとそれは昨今隆盛を極めるコンサルの専売特許であったわけだが、その武器を持て、と理解していいだろう。


それぞれ現在の自分にひきつけて近いところから「つぶしていく」ようにすれば、本書を手にとったROIもあがるに違いない。


@YMKjp